葬式・法事の焼香

 日本の葬儀や法事の約九割は佛敎式なので付きものなのが「お燒香しょうこう」。やり方を知らないので前の人と同じようにやれば良いと思っていたらよく見えなかったというのはありがち。意外と年配者でもよく知らないでやっている人もいるのでそれを眞似まねするとおかしな作法の人がえてしまう。

 基本の流れはこう。(立禮燒香)

  • 燒香だい前まで進み出て遺族に一れい
  • 遺影に一禮(淨土眞宗・眞宗は本ぞんを仰ぐ)
  • 燒香
  • 遺影に合掌(淨土眞宗・眞宗を除く)
  • 遺影に一禮(淨土眞宗・眞宗は本尊に禮)

 「燒香」は基本的には粒狀になったお香(抹香)をつまんで香の中の火の付いた炭の上にふりかけること。このとき、摘んだお香を額の前まで持ち上げる動作を「押しいただく」、摘んだお香を橫に動かし炭の上にふりかける動作を「くべる」とする。

押し頂く
押し頂く

くべる
くべる

曹洞宗
一囘目 押し頂く、二囘目 くべる(曹洞宗)

なお、像は三枚とも自分の側から見た狀態。(畫像中の人物と向かい合っていない)

 燒香の囘數や「押し頂く」「くべる」という作法は宗派によって違うので、基本的には自分の家の宗派の作法で行う。または、葬儀・法事の喪主・主催家の宗派の作法で行う。

なお、宗派の中でも地域やお寺によって作法が異なることがあるので檀那寺に確認するのが無難。
燒香の囘數は式場の時閒の都合で一囘にして慾しいと言われた場合は(眞言宗を除いては)一囘にする。

宗派すう動作
だい一~三囘
決まりなし
決まりなし
眞言宗三囘押し頂く
日蓮宗一または三囘
(基本一囘)
押し頂く
日蓮正宗一または三囘
(基本三囘)
押し頂く
臨濟宗一または三囘
(基本一囘)
決まりなし
曹洞宗二囘一囘目押し頂く
二囘目くべる
淨土宗一~三囘
決まりなし
押し頂く
淨土眞宗本願寺派(西)一囘くべる
眞宗大谷派(東)二囘くべる