古事記 中巻 第六代 孝安天皇

大倭帶日子國押人命おおやまとたらしひこくにおしのみこと坐葛城室之秋津嶋宮かつらきのむろのあきづしまのみやにまし治天下也あめのしたをおさめたまふなり此天皇このすめらみこと娶姪忍鹿比賣命めいおしかひめのみことをめあはし生御子あれましみこ大吉備諸進命おおきびもろすすみのみことつぎに大倭根子日子賦斗邇命おおやまとねこひこふとにのみこと二柱ふたはしら自賦下三字以音ふよりしたみつじこへをもちふる
ゆへに大倭根子日子賦斗邇命者おおやまとねこひこふとにのみことは治天下也あめのしたをおさめたまふなり天皇御年すめらみことおんとし壹佰貳拾參歲ももちあまりはたちあまりみつ御陵在玉手岡上也みささぎたまてのをかのへにあるなり

大倭帶日子國押人命おおやまとたらしひこくにおしのみこと第六代 孝安天皇こうあんてんのう葛城かつらぎむろ秋津嶌宮あきづしまのみやで、天下を治められました。
この天皇は姪である忍鹿比賣命おしかひめのみことめとられて、誕生された御子は大吉備諸進命おおきびもろすすみのみこと、次に、大倭根子日子賦斗邇命おおやまとねこひこふとにのみことの二柱です。
そして、孝安天皇の次に大倭根子日子賦斗邇命が天下を治められました。
孝安天皇は百二十三歲で崩御されました。御陵は玉手岡上奈良縣御所市玉手に比定にございます。

玉手丘上陵たまてのおかのえのみささぎ   孝安天皇陵