古事記 中巻 第二代 綏靖天皇

神沼河耳命かむぬなかわみみのみこと坐葛城高岡宮かずらぎのたかおかのみやにまして治天下也あめのしたをおさめたまふ此天皇このすめらみこと娶師木縣主之祖しきのあがたぬしのそ河俣毘賣かはまたびめをめあはし生御子あれましみこ師木津日子玉手見命しきつひこたまてみのみこと一柱ひとはしらなり 天皇御年すめらみことおんとし肆拾伍歲よそちあまりいつとせ御陵在衝田岡也みささぎつきたのおかにあるなり

神沼河耳命かむぬなかわみみのみこと第二代 綏靖天皇すいぜいてんのうは葛城の高岡宮たかおかのみや奈良縣御所市ごぜしで天下を治められました。この天皇は師木縣主しきのあがたぬしの祖である河俣毗賣かわまたびめを娶られて、お生まれになった御子は師木津日子玉手見命しきつひこたまてひこのみことの一柱でございます。この天皇は御歲四十五で崩御されました。御陵ごりょう衝田岡つきたのおか桃花鳥田丘上陵つきだのおかのえのみささぎにございます。

師木津日子玉手見命は後の第三代 安寧天皇あんねいてんのう

桃花鳥田丘上陵は現在の奈良縣橿原市四條町と比定されています。塚根山古墳。

桃花鳥田丘上陵つきだのおかのえのみささぎ   綏靖天皇陵